デイ・サージャリー

周術期管理医としての麻酔科研修を目指して

はじめに

京都大学医学部附属病院手術部デイ・サージャリー診療部門(Day Surgery Unit: DSU)は、主に日帰り手術・短期滞在手術を対象として、2000年から診療を開始しました。以後年に約1300例程度の麻酔科管理症例と3000例程度の各科管理症例を扱うまでに発展してきました。 2016年では麻酔科管理症例の約(200例)が全身麻酔後日帰りで行われました。日帰りが予定されていた患者さんが予定外に入院を余儀なくされた症例は、2016年は止血の確認で1泊入院となった1例のみであり、欧米の大規模研究では以上の報告が大半であることを考えると、この結果は満足できるものと考えます。このような達成には麻酔科医、看護師、外科医、事務職員が一体となったチーム医療が大きく貢献していると考えています。

DSU手術件数
DSU手術件数

DSU概要

スタッフ
麻酔科専門医 1-3名/日
専門修練医
専門修練医 0-1名/日
症例数
麻酔科管理症例 1333例(2016年実績)
神経ブロック症例

102例(整形外科の一部手術が中央手術部に移行したため減少)

神経ブロック件数

DSUでのエコーガイド下神経ブロックの様子
DSUでのエコーガイド下神経ブロックの様子

中心静脈カテーテル留置術

189例(うちPICC76例)

CV留置件数


DUS写真PICC
エコーガイド下にPICC留置中

研修の目的

DSUでは、より幅広い麻酔経験を積むことを意図してプログラムを策定しています。
特色として、全身麻酔後の日帰り症例を多数経験できることに加えて、ラリンジアルマスクやi-gelのような声門上気道確保器具の挿入の機会も多数得られます。
また、小児の症例が多いこと(2015年は小児症例が131例)、特色のある症例(精神神経科の電気痙攣療法など)や種々の神経ブロック、中心静脈カテーテルやPICCの留置などが経験できます。

通常は、京大麻酔科の後期研修の一環として、DSUでの研修を行っていただきますが、希望があれば初期研修の一部をDSUで行うことも可能です。
また他施設からの見学・研修も歓迎いたします。麻酔からの速やかな覚醒、十分な術後痛管理、悪心・嘔吐の管理、早期の自立の支援などを学んでいただき、日々の麻酔診療に役だつような研修を提供していきたいと考えています。
以下の個別の達成目標が挙げられます。

  1. 短期滞在手術麻酔のためのスキルを身につける。
  2. 看護師、外科系医師とのチーム医療の実際を体験する。
  3. 患者の自宅、手術室、リカバリールームへの移動に対応した術前教育、術前評価、麻酔、リカバリーでの患者評価、帰宅後の患者フォローアップの実際を体験して意義を理解する。

研修期間

京大病院後期研修医(専門修練医)は一ヶ月のストレート研修
初期研修医の研修は2年時に希望に応じて受け入れます。

研修への準備

特に必要ありませんが、後に示した参考文献を一読して研修に臨んでください。 またエコーガイド下での神経ブロックの初心者はテキストを概観しておくこと が望ましいと考えています。

研修の概要

Q&A

京都大学  デイ・サージャリー診療部での麻酔科研修

一日のスケジュールを簡単に教えてください
基本的には8時から17時です。
末梢神経ブロックの症例数を教えてください
2016年の実績では末梢神経ブロック症例数は192例でした。内訳は、胸部傍脊椎ブロック55、斜角筋間ブロック7, 腋窩神経ブロック11, 足首ブロック12, 大腿神経ブロックl7, 閉鎖神経ブロック5でした。
麻酔以外に学べることはありますか
京都大学病院DSUでは看護師と一体化した周術期患者ケアシステムが構築されています。”麻酔”以外にも学ぶべき事は多いと考えています。
研修のための特別な準備が必要ですか?
特に必要ありませんが、左に示した参考文献を一読して研修にのぞむことが望ましいと考えます。

参考文献

以下の文献を推薦します。日本語で書かれた書籍では参考になるものは残念ながらありません。
書籍としては”Handbook of Amburatory Anesthesia”を推薦しておきます。

論文

#1日帰り手術における看護師の役割白神豪太郎臨床看護、2004年、第30巻第14号 p2177-2183

#2日帰り麻酔に欠かせないスキル白神豪太郎日臨麻会誌、vol. 26 No.5, p474-p481, 2006

#3症例検討 術後悪心・嘔吐総論:術後悪心・嘔吐のハイリスク患者白神豪太郎LiSA, vl.14 NO.02, p166-p169, 2007

#4Delayed discharge and acceptability of ambulatory surgery in adult outpatients receivinggeneral anesthesia.Shirakami G, et al.J Anesth. 2005;19(2):93-101

ガイドライン

日本麻酔科学会日帰り麻酔の安全のための基準(改訂版) (http://www.anesth.or.jp/safety/guideline.htmlよりdown loadできます)

書籍

Handbook of Amburatory Anesthesia2nd Ed.Twersky, RS. and Philip, BK. ed.2008 Spiringer ScienceISBN 978-0-387-73328-9

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