漢方

漢方医学とは

漢方医学は、約2000年に中国で生まれた中国伝統医学を起源とし、日本で独自に発展した日本の伝統医学です。現代医学は、江戸時代に日本に伝えられた西洋医学が中心となっていますが、近年漢方医学が見直され、多くの医師が漢方薬を診療に取り入れています。医学教育モデル・コア・カリキュラム平成28年度改訂版にも、「漢方医学の特徴や、主な和漢薬(漢方薬)の適応、薬理作用を概説できる。」との項目があり、すべての医学部で漢方医学教育が行われています。その理由の一つに医薬品である漢方薬には有益な面がある一方、副作用等の危険性や漢方的に誤った診断を下したため不利益な事象が発生する誤治の問題が存在することが挙げられます。そのようなことを回避するため、漢方薬による治療中においても医師の管理が必要となります。漢方薬の効能が十分発揮され、安全に使用されるためには漢方医学を修得した医師による治療が推奨されます。

漢方診療ユニットについて

これまで当院には漢方専門組織がなく、漢方外来は神経内科内で非常勤医師が月2日行っている状況でした。世間で漢方薬の認知が進んでいるにも関わらず、患者ニーズに十分に応えられておらず、また、約9割の医師が漢方薬を使用しているにも関わらず、漢方医学の医学部および卒後教育が整備されていませんでした。そこで、2016年4月に漢方診療および教育の整備・推進を目的として「漢方診療ユニット」が病院内に設置されました。附属病院での漢方外来の運営、医学部および附属病院における漢方医学教育を行っております。

研修について

当院には漢方専門医資格を持った医師が一名おり、また漢方指導医資格を持った非常勤医師も漢方診療をおこなっております。当院は漢方研修施設に認定されており、当院で漢方専門医取得が可能です。

診療内容

西洋医療では説明できない症状、西洋医療で治療に難渋する疾患など、あらゆる症状を対象とします。初診時には困っている症状以外にもからだの状態を判断するための問診票を記入していただきます。その上で東洋医学的診察(四診)を行い、東洋医学的なからだの状態を総合的に判断し、その人に合った漢方薬を選択します。当院ではエキス製剤のほかに煎じ薬も使用していますが、すべて保険診療で行っております。

診療方法

患者さんの心と体の状態をみて、さまざまな症状や体質の特徴を総合的にとらえながら、全体のひずみを改善していくのが漢方療法です。心と体の状態をとらえる漢方独特の診察方法は四診と言われています。

 【望診】視覚を用いた診察(顔色、皮膚の色の他、舌の様子を見る舌診も含まれます)。

【聞診】聴覚と嗅覚を用いた診察(声の大きさ、においをもとに診察します)。

【問診】現病歴や既往歴だけでなく、患者の体質傾向(寒がり・暑がりなど)を聞き出すための質問をします。

【切診】触覚を用いた診察。脈の深さ、強さ、速さなどをみる脈診やお腹に触れ抵抗感や圧痛の有無をみる腹診などで判断します。

 

漢方外来ですが、月曜(午前中)・火曜・木曜・金曜(午前中)に外来棟4階404室にて行っております。

     
   脈診                                                                腹診

漢方薬の剤形と煎じ薬について

煎じ薬とは、生薬を水で数十分煮出して作る、液状の飲み薬のことで、湯液とも呼ばれています。漢方薬の八割程度は、煎じ薬の形をしており、葛根湯など、「湯」とつく薬や、「飲」や「煎」とつく煎じ薬もあります。漢方薬にはほかに、桂枝茯苓丸など「丸」のつく丸薬、当帰芍薬散など「散」がつく粉薬、紫雲膏など「膏」がつく外用薬などもあります。近年は湯液や丸剤、散剤などを錠剤または顆粒状に加工したエキス剤があり、現代の漢方治療の主流となっています。エキス剤は服用や携帯が簡便である一方、患者個々の体質や症状に合わせた細かい調整が難しいこともあり、また複数のエキス剤を服用することにより重複している成分の摂取が過剰になり、思わぬ副作用がでることもあります。煎じ薬は、毎日煎じるという手間がありますが、患者の体質や症状に応じて生薬の配合を変更したり別の生薬等を加えるなどの調整することができ、患者個々の体質や症状にきめ細かく対応することが可能で、また副作用軽減にもつながります。

ページトップへ