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麻酔科専門修練医募集の案内
-京大病院麻酔科から始める医師としてのキャリアプランニング-

1.麻酔科から始まる医療人としての歩み 麻酔科が初期研修に含まれる理由と限界?

新しい卒後初期臨床研修が始まり数年が経ちました。このカリキュラムでは麻酔科研修が必須となっています。心停止や呼吸停止などの患者を目の当たりにして何らかの医療行為が施せる医師を養成しようと考えて組まれた研修課程なのでしょう。
確かに、どの診療科を専門として医療に携わっていくとしても、医療現場で蘇生を必要とする場面に自分が遭遇することは少なからずあります。
しかし、蘇生を専門の一つとする私たちからすれば、よしんば初期研修2年間のうち数ヶ月を麻酔研修にあてたとしても、なかなか救急救命の現場で活躍できる知識と技量を習得するのは難しいように思えます。少なくとも数年間、私たち麻酔指導医にみなさんのような若い先生方を指導する時間を与えてくれれば、救命救急蘇生の基礎に習熟した医師を育てることができます。
このように考えると、医療のスタートを麻酔科医として開始するというのは長い医師人生のファーストステップとして得策かもしれません。それを一生の生業としないまでも数年間は麻酔科医として研鑽を積むのはあながち間違いではないように思えます。専門とする科を固く心に決めているとしても初期の数年間、麻酔科で専門研修をしたならば

  • 気道確保から気管挿管
  • 人工呼吸器の使い方
  • 循環作動薬の投与法
  • 局所麻酔薬、麻薬の使用法
  • 点滴の確保
  • 動脈穿刺
  • 中心静脈確保
  • 脊椎麻酔(脳脊髄液採取に通じる)
  • 輸液ならびに栄養管理

などを血肉とすることができます。これらはおよそどの科でも生かせるものばかりであることに気づくと思います。医師となって数年の間にこのような知識と技量を身につけることは医療人として賢明なキャリアプランニングと考えます。
もちろん、これらの麻酔科の必要条件ともいうべき項目をじっくり学んだ後に、さらに奥の深い麻酔の世界を私たちとともに歩んでくれたらこれほど嬉しいことはありません。

なぜ「京大病院」麻酔科からスタートなのか? 麻酔科の各サブスペシャリティーによる丁寧な指導

それでは、なぜ京大病院麻酔科をスタート地点とするのでしょう。
それは初期研修2年を終えて、3年目の感受性の豊かな時期になるだけ幅広い麻酔科医としての臨床経験をつむことが重要と考えるからです。市中病院の特徴の一つはよく見る疾患の手術の麻酔が多いということでしょう。京大病院麻酔科における専門研修では、よく見る疾患の手術の麻酔はもとより、まれな疾患の麻酔、高度で大きな施設でしかできないような手術の麻酔まで広範囲に及びます。この広汎な手術麻酔に対応するのに、京大麻酔科は教官側のマンパワーとして万全の環境が整っていると考えます。
私たち麻酔科の医師が主に携わる分野は、手術麻酔、集中治療、ペインクリニックです。これらの各々の分野の進歩は速く、サブスペシャリティーとして独立しようとする勢いです。
京大病院麻酔科には、各々のサブスペシャリティーの経験豊富な指導医が常勤しており、偏りなく学ぶことができます。このように、高度に分化の進む麻酔科の諸分野を全て網羅するには、それぞれ専門分野をもったスタッフのいる京大病院麻酔科は最適な環境と考えます。

高度先進医療の対象となる疾患からよくみる疾患まで豊富な症例

手術麻酔では、肝臓移植、肺移植、重症例の心臓血管外科手術、覚醒下開頭手術のような恐らく京大病院でしか遭遇できないような手術の麻酔管理を経験できます。
経食道心エコーも心臓血管外科手術ではルーチンで使用しています。各種神経ブロックもエコーガイド下に行っています。全ての科のそろった総合病院として各科の通常も手術の麻酔管理も行うことはいうまでもありません。国立大学病院としては京大病院だけにしかない、外来における日帰り手術(デイサージャリー)の麻酔も経験することができます。

集中治療部(ICU)は救急外来から入室する心肺蘇生後の患者管理、各病棟で発症した重症感染症(含む敗血症)、多臓器不全などの患者を最先端の人工呼吸器を用いて呼吸管理をしながら原因を究明し治療を行います。腎機能の低下した患者には人工透析を行います。日々行われる経胸心エコーや気管支鏡の技量は磨かれ、抗菌薬に精通するともに、緻密な輸液栄養管理も学ぶことができます。

ペインクリニックでの研修は主に専門修練期間が終了してからの参加になります。週3回のペインクリニック外来を行います。難治性疼痛、ヘルペス後神経痛、がん性疼痛などの患者を診察治療します。入院患者のがん末期疼痛管理のコンサルトも受けます。積極的に透視下神経ブロックや入院加療を行います。

最先端をいく他科(外科内科)との密なかかわり

麻酔科の特徴の一つとして、手術室では外科系を中心とした多種多様な医師と交流をもつことができます。またICUでは、外科系のみならず内科系の医師とも重症疾患患者の治療を巡って意見を交換する機会も多々あります。京大病院には、各科において日本あるいは世界の医療をリードする医師が多く在職します。このような医師達から医学的好奇心を満たす大いなる刺激を受けることができます。これも京大病院麻酔科で専門研修を積む醍醐味の一つと考えます。

発信する場としての大学病院の麻酔科

特殊な症例、苦労して管理して好結果につながった症例については積極的に学会発表します。のみならず論文として内外の麻酔雑誌に投稿します。これは大学人としての使命だと考えます。
1症例を深く掘り下げてまとめることで、知識は自分のものとして定着します。教官の指導のもとに発表や投稿の方法論の取得することができ、なによりも達成感を獲得することができます。これも、特殊な症例、難症例が多く集まり、スタッフの層が厚い京大病院麻酔科の特徴です。

2.京大病院麻酔科で研修を終えた後の進路

さて、ではこのような刺激に富んだ京大病院麻酔科の専門研修の終えた後はどのような道が待っているのでしょうか?

まず、関連病院への赴任をします。

関連病院一覧

関連病院はいずれもそれぞれ特徴のある市中病院です。京大病院麻酔科で培った知識、技術をより深め、研ぎすまされたものにするのに適した病院ばかりです。家庭などの事情で、行きたい病院があるときは随時相談を受け付けています。

大学院への進学という道もあります。
麻酔の臨床を極めようとするなかでいろいろな「なぜ」「どうして」に出会うことがあります。そのような疑問を、実験をすることでさらに掘り下げて考えることができます。たとえそのような疑問にあたらなくても、心配は不要です。
学位を取得したいというだけの理由でも、大学院に進んで研究をすることができます。なぜなら、基礎研究で日本をリードする京大の経験豊かなスタッフが各人に相応したテーマを与えて学位取得へ導いてくれます。

大学院で学位取得後に海外へ研究をするために留学をすることも可能です。研究を盾に留学するわけですが、研究に専心するだけではなく、数年間異文化に身を投じることは人生の貴重な財産となると考えます。

3.まずは見学から

つらつらと京大病院麻酔科で専門研修をすることの素晴らしさを綴ってみました。私たちの科の雰囲気を伝えるにはいかんせん言葉では限界があります。
実際に、専門研修がどのようになされているか。これは見ていただくのが一番だと思います。見学は年中いつでも受け付けています。先輩の後期専門研修医のみなさんが働いているさま、上級医の指導するさまを是非見学にきてください。
訪れていただいたみなさんと面と向かってゆっくりと話し合うことで、抱えている不安や疑問を解決できると信じています。

さあ、私たちとともに京大病院麻酔科で働きましょう。

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